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イラストレーターと画家の違いはなにか。-【REPORT】イラストレーター なかしまなぎささん 1/2

  • ひろかわ
  • 2017年4月5日
  • 読了時間: 4分

大学時代から知っている彼女の印象は、その可愛らしい笑顔と愛嬌で自然と人が集まってくるまさに“癒し系”。大学でビジュアルデザインを学びながら、“まくら”というバンドグループでも活動し、人柄だけでなく、歌声でも聴く人を魅了してきました。

そんな彼女が書く絵はどこか寂しげな女性ばかり。独自の世界観の中に、ぽつんと一人書く女性とそこに添えられている“言葉”。癒し系の彼女が書く絵は謎めいていて、そのギャップについ目を奪われてしまいます。

N cubeのふたりが会いたい人にインタビューをしていく【REPORT】、今回は仕事の傍らイラストレーターとして活躍するなかしまなぎささんにインタビューをしました。

THE癒し系の彼女から生まれる世界観

幼い頃は転校やクラス替えが多く、環境の変化になかなか馴染めないこともあったと話す彼女は、友達と話すきっかけつくりのために絵を書き始めたそう。「絵を書いていると誰かが声をかけてくれるし、友達が好きな漫画のイラストを描いてプレゼントすると喜んでくれたことが嬉しかった」と話す彼女の絵の原点は、コミュニケーションとして書いていた絵にあるのかもしれません。

そんな彼女はデザイン科のある高校に進学し、デザインの基礎を学ぶ中でいろんな作家の作品に触れる機会があったそうです。そこで出会った作品が横尾忠則さんの作品。彼は独特なグラフィックデザインをはじめ、絵画制作など多方面にわたり作品を世に出している現代日本を代表する美術家です。

彼女にとって横尾忠則さんとの出会いは、ターニングポイントといえるほど衝撃的な出会い。

常識を覆す横尾忠則さんのデザインをみて、「こんなデザインをできる人がいるんだ。デザイナーってカッコイイ」と思い、デザイナーを目指して高校卒業後の進路を美大に決めたそうです。

そして、宇野亜喜良さんの作品にインスパイヤされ、それまでの漫画のような絵から一変、今の少し謎めいた独特な絵を書くようになったのだとか。

絵に添えられた“言葉”の力

彼女にとって絵は“自分を表現するもの”。彼女の絵で特に印象的なのが、見入ってしまうほどまっすぐな女性の目と、そこに添えられた“言葉”。

「絵を書くとき、まずは物語を考える。たとえば、彼と別れてしまった女性がベランダの片隅に置いてある彼のタバコに火をつける。という物語を考えたら、その時の女性の気持ちや言葉を考える。」と話す彼女は、表現したい言葉を決めてから絵を書いていくそうです。彼女自身が経験した好きな人との別れや日常生活の中で感じたことを物語に変えて1枚の絵を書いてていくそう。

絵以外にも小説を書いていた時期もあり、自分の中にあるものを表現する手段は、以前から持ち合わせていたのかもしれません。小説を書こうと思うとハードルが高く、文章力ももちろんですが、発想力がないと書ききれません。絵に添えられた言葉というよりは“言葉に添えられた絵”を書く彼女の頭の中にはいくつもの物語があって、その一つひとつをゆっくりじっくり考えてキャンパスに書いているのかもしれません。

書くものが女性ばかりなのは、女性のもつ感情や表情の奥深さを表現したいと思うからだそう。誰もが持っている誰にもしられたくない自分や少しミステリアスな部分を言葉と絵で表現している彼女は、積極的に映画や本に触れて、いろんなことから“表現したい言葉”を見つけています。彼女自身が感じる言葉を表現しているからこそ、見る人を惹きつけているのかもしれません。

展示するときの絵は、書き溜めたラフやイラストをもとに、「もっと掘り下げたいもの」「もう一度描きたいもの」などを選び、自分の中で考えてから真っ白なキャンパスに描いていくそうです。彼女の絵に対する思いを聞いていると、今までの“癒し系”の印象とは裏腹に、自分が生み出すものへの情熱や強いこだわりを感じ、今までは気付かなかった彼女の悩みや葛藤がみえてきました。

彼女が次なるステージに新潟を選んだ理由、これからのことを聞きました。

続きはコチラから!


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