イラストレーターと画家の違いはなにか。-【REPORT】イラストレーター なかしまなぎささん 2/2
- ひろかわ
- 2017年4月5日
- 読了時間: 4分

▲タイトル『時間』 2016年11月国際展示場東京ビックサイト デザインフェスタでのライブペイント作品
衝撃的な出会いからデザイナーを目指し、美大へと進学した彼女。
今までの“癒し系”の印象とは裏腹に、自分が生み出すものへの情熱や強いこだわりを感じ、今までは気付かなかった彼女の悩みや葛藤がみえてきました。
N cubeのふたりが会いたい人にインタビューをしていく【REPORT】、今回は仕事の傍らイラストレーターとして活躍するなかしまなぎささんにインタビューをしました。
自分が進みたい道はどこか
現在は会社員としてデザイナーを務めている彼女が県内企業へ就職を決めたのは「新潟で土台を作れなければ、東京へ出たとしてもうまくいかない」という思いがあったそう。と同時に、大切な人が新潟にいたからというのも大きな理由になっていたのだとか。
彼女は大学卒業後も同じ大学の仲間と“EHARAJAPAN”というアーティストグループを結成し、グループ展や“長岡ベース”という拠点を構えて活動していたこともありました。
その他にもデザインフェスタへの出店など幅広く活動しています。
会う人を魅了する彼女は、その人との繋がりからヴィレッジヴァンガード主催の【かいしんのいちげき展】に参加し、自身が手がけるオリジナルグッズの販売やヴィレッジヴァンガード池袋サンシャインALTA店で作品展示なども行っていました。
ヴィレッジヴァンガードが主催し告知してもらうことが、普段は自身の作品を目にしない全国の人へ広げるきっかけになったのだとか。そんな彼女は、“いつか東京で個展を開きたい”という目標をもち、日夜作品作りに励んでいます。
そして、最近では自分を表現する絵だけでなく、依頼されて絵を書く事もあるそう。そんな中、大学時代から悩んでいた“イラストレーターと画家との違い”について考える機会が多かったそうです。
「“依頼されて絵を書く”というイラストレーターと、“自分を表現する絵を書く”画家だったら、自分はどっちの道に進みたいのか」。
イラストレーターと画家の違いは人によって考え方も捉え方も異なり、定義も人それぞれ。名乗ってしまえばイラストレーターにも画家にもなれてしまうが、彼女自身は「依頼された絵を書く」ことと「自分を表現する絵を書く」ことの、どちらが進みたい道なのか悩んでいたそうです。
さまざまな活動を通して、彼女は依頼された絵を納品(作品を仕上げて相手に見せること)したとき、相手が喜んでくれることが一番嬉しいと気づいたそう。
そして悩んだ末に出た答えが「依頼された絵を書く」ということでした。
“誰かに喜んでもらえる絵”を書き、喜んでもらえる嬉しさを感じるというのは、彼女が幼い頃に友達が好きな漫画のイラストを描いてプレゼントしていたということに似ているのだと思います。まさに、彼女の絵の原点はコミュニケーションとしての絵にあるようです。
これから先、彼女が作品作りを続けていく中で、「画家になりたい」と思うことがあるかもしれないし、巡り巡って同じことで悩んでしまうかもしれません。でも、彼女にとって絵が“コミュニケーション”であるということや、“人”に関わる作品であることは変わらないことなのだと思います。

癒し系の彼女に聞いた彼女自身のこと
私の知っていた癒し系の彼女に、改めて絵のこと彼女自身のことを取材する中で、かいづの記事に書いてあったように「彼女自身のことを知っているようで知らなかった」と思いました。
絵に対する思いやこれからのことを真っ直ぐに考えている彼女を見て、「こんなに内に秘めた思いがあったなんて」というのが正直な感想です。
どんな出会いがあって彼女の作品ができたのか、原点やターニングポイントはなんだったのかを知ることで、気づかされることもたくさんありました。大学時代の彼女の印象が180度変わってしまうような、濃い時間でした。
また、去年入籍した彼女を見ていると「結婚すると自分のやりたいことができない」というのはただの逃げている理由にすぎないのだと思いました。主婦をこなしながら、仕事、イラストレーターとして活躍する彼女はとっても格好良かったです。
さて、N cubeのふたりが会いたい人にインタビューをしていく【REPORT】、インタビューさせていただいた方に1冊の本をもらっています。
もらった本については、今後どこかで展示などできたら良いな…と思案中です。
その人にとって“思い入れのある1冊”であったり、“悩んだ時に読む本”である大切な1冊の中で、さらに特別な言葉、ページに印をつけてもらいました。
なかしまなぎささんの本はコチラからチェックしてみてください。
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